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簡易積算電流計 (Arduinoのアナログ入力)

スタンドアローン(パソコン不要)で動作する積算電流計を作製いたしました。 メッキや電気化学、滴定実験などで電流値の積分(積算)値を求めたいときに お使いください。今回は1 chのみですが、Arduinoのアナログ入力は 0-5までの6端子ありますので、 抵抗の回路を追加するだけで6回路の(ほぼ)同時測定に対応可能となります。 太陽光発電や家庭での消費電力など、積算値だけを低消費電力で求めたいときに便利です。


簡易的な電流測定

被測定回路の抵抗が高い時には、高容量の抵抗を用いて 電流を電圧に変換して測定が可能です。いわゆるシャント抵抗を 用いた電流測定です。今回は以下のような回路での測定を考えました。


液晶パネルとArduinoとの接続

まず、スタンドアローンとするために Arduinoから液晶パネル(LCD)を表示するシステムを作製いたします。 設定さえ間違えなければそれほど難しくありません。 LCDはSD1602VBWB-XAを使用いたしました。まずはArduino pro miniを使って動作確認とプログラムのチェックをいたしました。 その後、pro miniへの書き込みが出来なくなる不具合が発生したため、 Arduino Duemilanoveを使って接続いたしました。 武蔵野電波のArduino早見表は非常に分かりやすく、LCDとの接続方法の記載もありますのでお勧めです。 接続は

lcd(RS,RW,E,DB4,DB5,DB6,DB7)

の順番で対応するArduinoのDigital in端子番号を記入するだけです。




この例では5,6,7番端子をRS,RW,Eとして使用しています。
以下に示す変換基板では接続の順番が単純だった5,6,7番端子をE,RW,RSとしています。ご注意ください。

LCDのバックライトや電力供給、コントラスト調整のためには LCDの15,16,1,2,3番端子を使用いたします。具体的には

15=anode
16=cathode
1= Vss=GND
2= Vdd=5 V
3=V0= コントラスト調整用の電圧 0-5V

とします。 動作状況はYouTubeに アップロードしていました、


Arduinoとの接続のための基板作製

Arduinoに抜き差しできるように、電流計測用の 直列抵抗や端子台も含めた基板を作製いたしました。 Arduinoの上にこの基板を差しこみ、さらにその上にLCDパネルを差しこむ3段構造です。 手のひらに乗るサイズです。化学実験などで 酸性や酸化雰囲気で使用される場合にはパッキンのついた弁当箱に 全体を収納することができます。単三電池4本を電源として Arduinoに供給することでArduinoの5 V出力からLCDも駆動する仕組みです。

積算電流計用の回路。測定する回路の抵抗、電流値に併せて 直列抵抗を選ぶ必要があります。今回は10 Ωです。最大0.5 Aで5 Vの電圧降下です。 測定したい回路の電流が流れている部分を開いて、 ターミナルのC1とC2に接続します。この時、GNDを共通に取るようにします。 リセットスイッチはDI9の入力としてありますが、単純にresetに接続して プログラム全体を再起動するのも良いかもしれません。 可変抵抗はLCDのコントラスト調整です。接続に誤りがないのにLCDに 全く表示がなされないときにはコントラストが調整出来ていない可能性があります。


スケッチ(プログラム)

電流とその積算値を求めるプログラムでは 正確な値を得るために、出来る限りのスピードで繰り返し電流値を読み取り、 1秒間積算し、その都度平均値を算出する方法を用いました。 このプログラムでは1秒に約8000回測定を行っています。 周波数の低い交流であれば直接測定が出来ますね。 Analog inputの値は5 Vを基準にして2^10=1024分割した整数値が出力されますので それに併せて係数を決めます。実際の運用では校正された電流計で測定して後で この係数を調整して実際の値を表示させるようにします。 全体のコードはここからコピーしてください。


動作状況

30分ほど動作させて、不具合はなさそうでした。 電池4本でどの程度の時間連続測定が可能かは確認していません。 連続使用する場合には12 V程度のACアダプタでArduinoから電力を入れれば 全く同様に動作いたします。(5 VをArduinoのレギュレーターから取っているため。)


動作状況。右側に測定される回路(今回は赤色LEDに400Ω程度を接続し、単三電池2本で発光)。
左の単三電池4本は駆動用電源。これ以外の外部電源は不要です。


画面表示。上段に積算電流値(単位はmA*秒)、下段に電流値(mA)と時間(秒)。
金色が直列抵抗に使ったメタルクラッド抵抗。余裕を見て10 W仕様です。
正確な値が必要な方は精密抵抗などを用いるとよいと思います。
安全のためにヒューズを挿入した方が良いですね。

一冊買って参照すると楽です。

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