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フルマラソンで3時間を切るには

(O脚でサブスリー達成のための練習とペース配分)

2008年からマラソンを初め、3シーズンの練習を経てサブスリー(3時間切り)を達成いたしました。同じ目標を持つ市民ランナーの皆さまのご参考に、練習やレースでのペース、ハーフでのタイムなどを報告いたします。

まとめ(当然かもしれませんが、、)

追記:4シーズン目に東京マラソンにて2時間51分台(公式記録)を出しました。



陸上経験の有無など

陸上経験はありません。長距離は得意で、中学生の時に1500 mが5分10秒程度だったように記憶しております。田舎の小さな学校だったため、陸上部員の埋め合わせとして県の駅伝大会のメンバーに選ばれ、陸上部の先生の指導のもとで、一か月ほど練習したことがあります。この時のタイムは3000 mで11分を少し切るくらいでした。短距離は全く駄目で、クラスで下から10-20 %くらいに入っていたような気がします。

マラソン挑戦の経緯

友人と一緒に応募した2008年の東京マラソンに補欠当選し、2007年の11月から練習を始めました。上述のように長距離には自信があったため、初マラソンで3時間30分を目標にしました。しかし、実際に練習してみると、1500 m走とフルマラソンは走り方もペースも全く異なることに気付きました。最初は5 km走るのも精いっぱいの状態でした。練習を開始してすぐに膝を痛め、長い練習をすると膝が痛くなる、という繰り返しでした。3ヶ月後の本番はトイレ休憩2回でやっと完走(歩いてはいません)、4時間15分をどうにか切れるタイムでした。

O脚ではサブスリーは無理か?

もう少し速く走るためにはどうしたらよいか、ということを考えていろいろと調べてみると、O脚がマラソンには極めて不利であるという記事を見つけました(All aboutのマラソンの記事)。この筆者は繰り返し、繰り返し、脚が真っすぐであることの重要性を説いており、矯正が絶対に必要であるとの立場をとっているようです。「O脚ではマラソンは無理」という記述もあります。私も明らかなO脚(鏡で見るとすぐにわかる程度)で、特に左膝の方が外側にゆがんでおりました。実際に練習量を増やした時に傷めるのは常に左の膝でした。

そこで近くの整体院に行って、O脚の矯正が出来るかどうか尋ねました。しかし、治療効果を答えてくれませんでした(整体院は医療行為を行うところではありませんのでしょうが無いですよね)。続いてO脚についてwebで調べてみると、「画期的な矯正法」を宣伝するページが複数見つかりました。しかし、説明が不明瞭で、認可された医療行為でないのに「画期的な矯正法」と宣伝していることから、眉唾ものだと判断するに至りました。(そんなに簡単に治るのなら、スタイルを気にする女性はみんな治していますよね?)。そこで、方針を「O脚はそのままでマラソン」に変更しました。

もし本当に「O脚でマラソンは無理」であるならば、困ったことになりますので長距離の選手の写真などを調べてみました。すると、オリンピックで活躍する選手の大半は脚が真っすぐでした(例外も少し!)、しかし、箱根駅伝出走クラスの選手ですと、O脚の割合は一般人と大きな差がないことに気付きました(1-2割?)。ここで「O脚でマラソンは無理」という判断基準には、例外も多いことに気付き、自分の体で実証しようと思いました(半ば意地!です)。別にオリンピックに出ようというわけではないのです。1 kmを4分16秒のペースで42km走るのが目標ですので。

追記:マラソンを始めて4シーズン目の終わり頃に、自分のO脚が少し直ってきていることに気付きました。@脚を組んで座らない、A立った時に両足に均等に体重をかけるようにする、の2点を注意して4年もすれば、O脚は少しは矯正されるということでしょうか?(完全に真っすぐになっているわけではないので劇的な変化ではありませんが。)

1シーズン目:ハーフまでならすぐに速くなる。

練習で注意した点(初期、フルマラソン完走まで)

9月に入り涼しくなってくると、膝を痛めない程度に練習量を増やしていきました。私は暑さに弱く、夏はすぐにへたばってほとんど練習できませんでした。練習で心がけた点は以下の通りです。

膝の痛みもなくなってきて、ハーフマラソンの大会に参加しました。練習での最長走行距離は16 kmでしかも初めてのハーフマラソンであったため、自分の走力もペース配分も全く分からない状態でした。

練習を始めて1年を経て、目標タイムを1時間40分としてレースに出ました。これは最初の目標であるフルマラソン3時間30分を念頭に置いたものです。レースの後半に体力が残っていることに気づいて、全力で飛ばしたところ1時間32分を切ってゴールが出来ました。この時点で、このまま練習を続ければサブスリーも夢ではないと思うようになりました。 このレースで18 km過ぎには心肺機能ではなくて脚力がタイムを制限していることに気付き、特にフルマラソンでは長い距離を練習する必要があるという考えに至りました。練習を少しずつ増やすと膝の故障もなくなりました。不思議なのですが、脚も憧れの一流ランナーのように?細くなっていきました(特にふくらはぎ)。

2シーズン目:サブスリーが見えてきた?

練習のコツ(中期、フル3時間30分くらいから)

この後練習を続け、1シーズン目の終わりにはフルで3時間12分台を出すことが出来ました。短い距離を練習していませんので、1年間たってもハーフは1時間28-30分程度とほとんど記録が伸びていませんでした。(体は正直ですね)。このペースではサブスリー達成は無理ですので、ハーフ1時間25分を切るペース走と12分間走を練習の柱としました。12分間走は最初は2800 m程度で、最終的には3200 mを少し超えるところまでいきました。長距離の練習は24 kmや32 kmをレースペースで走り、最後の8 kmでどれくらいスピードがあげられるか、で実践的な持久力のチェックをしました。しかし、なかなかタイムは上がらず、フルマラソン大会には発熱で欠場したり、台風で中止になったりして不本意なシーズンとなりました。

3シーズン目:明確に目標を定めて練習

練習のコツ(3年目、サブスリー前)

サブスリー達成の3か月前、1か月前のハーフのレースペースです。 どちらの大会も気温が低く、晴天、ほぼ無風で最高のレースとなりました。

このころには(時計を見ながらですが)1 kmのペースを±3秒程度の誤差で保てるようになりました。ペースを保つ能力は走力にほぼ比例するような気がします。速く走れるようになると、自然にペース配分もうまくなりました。全力を出し切るためにはペース配分は極めて重要で、私の場合、1 kmあたり5秒速く走り始めると30 km程度で脚が全く動かなくなります。逆に、こういったペースの練習が、フルマラソンを仮想した練習となるような気がします。また、「ハーフのタイムを2倍して10分を足す」はかなり正確にフルのタイムを予想する方法だと実感しています。もちろん、失敗レースもあります。初夏のレースで気温が急激に上がり全く走れなくなり、3時間30分以上かかったこともありました。

下のグラフは3年間の月間走行距離のまとめです。サブスリーには月間200 kmが必要と言われています。サラリーマンですので練習時間はなかなかとれず、走行距離はあまり気にしないようにしていました。しかし、週末に32 km走をしたり、平日のうち1、2日にジョギングや通勤ランを入れてみますと、結果的に月200 kmとなっていました。30 kmを走る練習でも、時間は3時間もかかりませんので、週末の運動には最適ですね。本番の2週間前の週は、毎晩5 kmのジョギングをしました。直前の週は睡眠を十分にとることとストレッチを心がけました。軽くジョギングすることもありましたが、走行距離は数kmだと思います。

月間走行距離のまとめ

サブスリー達成のレース(=ペース厳守)

最後の冬は「これを逃したらもうチャンスはない」と本気で考え、平日の夜に5 km程度のジョギングをしたり、3 kg程度のリュックサックを背負って20 kmの通勤ランをしたりしました。信号機で何度も止まるのですが、長時間体を動かし続けるのは非常に効果的な練習になりました。(荷物を背負ったので太ももはかなり太くなりましたが)。

目標達成のためのターゲットにしたのは別府大分マラソン(別大)の記念大会です。例年は2時間50分の制限時間がありますが、この年から3時間30分以内に拡大されましたので出走することができました。親しい友人が宿の手配から沿道での応援までやってくれて「ここで3時間切れなかったら家に帰れない」という思いで走りました。市民ランナーが憧れる一流の大会ですので、給水も距離表示もしっかりしており、安心して走れました。ペースを4分10秒/km (ハーフ1時間28分)に設定して、スタートの混雑を除いては、これよりも遅くならないように注意しました。逆に、37-38kmまでは、体調が良くても、絶対に速くならないように(失速が怖いですので)、時計とにらめっこ(笑)で走りました。ほぼ完全なイーブンペースでした。このように走ることができると、(きちんとした大会でも)後半は面白いように順位を上げられます。

サブスリー達成前後のフルマラソンのペース




市民ランナーでもサブスリーのクラスになると、練習後のタンパク質、ミネラル補給は欠かせません。かさばるプロテインは通販で、、、。

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