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赤外線(光電)センサーを用いた自動タイム計測、動物の運動記録

ミニ四駆やミニッツレーサーといった小型の模型自動車のレース等で、パソコンを使ってタイムを自動で計測できれば、性能の比較を定量的に行うことができます。自動化することで長時間の記録や客観的な順位付けにも役立ちますね。模型に限らず、ジムカーナなどの自動車、二輪車のレース、インラインスケート、一輪車などの競技でも、高精度の計測は不可欠となります。また、動物や人の運動を長時間にわたってモニタリングする実験などではビデオ画像を解析するのは大変な作業となります。また、人の判断が介在することで、客観性も損なわれる可能性があります。こうした用途に、赤外線遮断センサー(光電センサー)の情報をパソコンに読み取る装置を作りました。入出力にはマウスの回路を用いることで安価で使い勝手の良い装置を作ることができます。用途別の装置の改造のアイデアなどありましたら質問欄からお伝えください。Last Updated on Sep 16.

関連する項目として1/1000秒まで時刻を記録するソフトをアップデートしました。(July 15, 2012).

パソコンで記録するストップウォッチとしても使用可能なエクセルソフトは以下からダウンロード可能です。
パソコン記録ストップウォッチTYKir5(フリーソフト)

変更履歴
2012年10月:精度を1ミリ秒(1/1000秒)としました。
2012年9月:キーボードの0でスタート、1でラップ計測を可能としました。


マウスでクリックするとエクセルにタイムが記録されます。
計測は1/1000秒まで記録されます。パソコンが遅くなるのを防ぐため、途中表示は1/100秒までです。

外部入力の方法

様々なセンサーに対応可能な外部入力端子を製作しました。トランジスタのNPN,PNP出力や、スイッチの導通、絶縁状態を感知して、パソコンに信号を送ります。



装置の構成

市販品をお使いの場合には、オムロンのE3Zシリーズが良いかと思います。

今回は赤外線遮断センサーのユニットを用いました。人が通過し、赤外線の遮断を検出するタイプのセンサーです。自動ドアなどに使われているものです。値段は700円から2000円程度ですが、電源回路が6 Vのみで良いAVIOSYS社の2PKMR22を用いました。残念ながらこのセンサは廃番となっているようで、現在は通販で購入できるサイトを発見できません。秋月電子の物体位置計測キットは安くて誤作動防止の仕組みも見て分かりやすいキットだと思います。電源が6 Vと3 Vの2電源が必要のため、やや使い勝手が悪くなっています。これらのキットでは赤外線の強度を特定の周波数で振動させ、その周波数成分のみを検出する回路を採用してノイズを減らしています。そのため、太陽からの赤外線が降り注いでいる屋外でも使用可能となっています。

上記のセンサーユニットで物体の移動に伴ってon/offの信号を取り出すことができます。今回はこの信号をマウスの左クリックとして読み取ってPCに入力する方法を採用いたしました。秋葉原で100円のマウスを買ってきました。インド系の店員さんから「保障なしネ?」と聞かれて、「はい、大丈夫です」と答えて購入しました。外観が壊れていなければ、ICも基板も壊れるとは考えにくいです。ネジを一本はずして内部を見たのが下の写真です。マウスの左、中央、右に該当する黒いスイッチが上部に並んでいるのがわかります。これだけで少なくとも3chのon/offをUSBから入力することができます。

基板を裏側から見たのが下の写真です。さすがに100円の中古品、汚れが付着しています。赤の四角で囲んである領域が左クリックのボタンが接続されている端子になります。上側がグランドで下側にICの一つの端子が接続されています。この二本が導通状態で左クリックの状態となります。USBには+5 Vの電源線が含まれていますが、これは左のピンク色の領域のコネクタになります。上から2番目の赤いケーブルが接続されているのが +5 Vの入力線となります。今回は上述の赤外線センサの電源もUSBから供給することとしました。ICセンサの入力線の端子間抵抗から必要な電流は1 mAよりもずっと低いと考えられましたのでUSBからの電力供給で十分にカバーできます。

装置は3つの基板からなります。左は赤外線の放出部、中央が赤外線受光部、右がマウスの基板です。本キットでは100 Vを直接on/offできるようにリレーがついておりました。Bestar Electric Ltd.製品で型番はBS-115です。トランジスタの部分からon/offを取るほうが反応速度が早いと考えられますがセンサーの回路に手を加えたくなかったのでリレーの出力部分を用いることとしました。データーシートを参照にしますと、Operate time、Release timeは それぞれ10、5 msecとなっておりますのでせいぜい15 msecしか時間がかかりません。66 Hz以上の入力を入れると難しくなってきますが、今回の用途には十分です。もしこれ以上の周波数でon/offを切り替える場合には、マウスの反応速度のほうが追いつかない可能性もあります。

今回は赤外線の発光部と受光部を同じ位置にセットしています。これは装置全体の構成を簡単にするためで、鏡などの赤外線を反射する物体を用いて、戻ってきた光を常にセンサーに入れておき、これが遮断された場合にスイッチがonとなるようなシステムとして用います。下に簡単な構造図を示します。

実際にパソコンにUSBコネクタを接続し、手鏡で赤外線を反射させることでマウスの左クリックの動作として認識されるい事を確認できました。反射板として、キラキラ光る自転車用の反射プラスチック板を用いましたが、こちらの反射率は鏡よりも悪いようで、認識できる距離は50センチ程度でした。また、通常は6 Vの回路に対してUSBからの5 Vを電源に使用しているためか赤外線の強度は弱くなっているようでした。電源にUSBではなくてニッケル水素電池4本を直列にしたものを使うと、鏡を用いて認識できる距離は1.2 m程に延びました。赤外線センサー自体は正常に使えば5 m程度は届きますので、より長い距離で使用するには6 VのACアダプタを使うのが良いかと思います。

スペーサーで三つの基板を一つにまとめたのが以下の写真になります。ショートによる不必要な事故を防止して、見栄えを良くするためにケースに組み込むとよいと思います。もちろん、赤外線の発信、受信部分は穴をあけるのが良いと思います。見た目が透明なプラスチックでも赤外線が全く通らなかったり、大きく減衰したりする場合があります。

ソフトの作成

これまでも何回か用いているExcel VBAにより時間を計測するソフトを作成しました。マウスでの入力、というのがポイントです。こうすることで、センサーを動作させなくてもマウスのみで記録機能付きのストップウォッチとして使用できるようになります。また、ソフトを作成する場合にはマウス操作で動作確認を行えば良いと分かります。インターフェースとしての赤外線ユニットはUSBマウスが正常に認識すれば問題なく動くと推測できます。このソフトだけでもPC記録装置つきのストップウォッチとして使用できますね。


マクロユーザーフォームの外観(マクロを動作させると立ち上がります。)

ソフトの動作

作成したソフトは本ページ上のリンクからダウンロードできます。。使い方は簡単で、マクロを有効にして動作させればOKです。あとはStatrボタンを押してタイマーをスタートさせ、Lapボタンで各ラップを求めます。パソコンの速度などの環境により動作が不安定になる可能性もありますのでうまくいかないときにはトップページのメッセージ機能を用いてご連絡ください。ソフトウェア動作にはトップページのパスワードが必要となりますのでコピーしてご使用ください。

動作

手元のストップウォッチと同時に測定した場合には0.01秒の違いしか生じず、使用には全く問題はありませんでした。マウスのクリックのタイミングの誤差のほうが大きいですね。模型自動車やジムカーナなどには十分に利用できるのではないでしょうか。



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