電子工作や電気工事、各種実験の計測などに必須のデジタルマルチメーター(MASTECH:MS8218またはMAS345)を用いて、自動計測、メール通報システムの構築に挑戦しました。エクセルの表としてデータをリアルタイムに記録します。長時間の実験用はもちろん、無人でのセンシング等に活用できるのではないでしょうか。水漏れや装置の異常などをメールで警報するシステムにも活用できるかと思います。
ソフトはこちらからダウンロードできます。
テスター自動読み取りソフトExcel(MS8218,MAS345)メール機能(ver.3-1)(498KB,ダウンロードに1分程度かかります。)
電圧や電流、抵抗などの電気量を測定するマルチメーターは、多種多様な製品が販売されております。 今回は趣味で使いやすいハンディタイプのものを購入することとしました。三和、日置などの大手メーカからはUSBやRS232などを用いたパソコン取り込み機能が付随している製品があります。今回は周波数を測定可能で、4桁以上、という条件で選定し MASTEC社 の MS8218(秋月電子の販売サイト) を購入することとしました。この価格で50000カウントまで測定できるというのはお買い得なのではないでしょうか?また、複数台の並列使用を想定して低価格のMS-345(秋月電子の販売サイト)も準備いたしました。通信機能付きで4000円以下、というのは非常にお手頃ですね。
MS8218は赤外線通信を用いたデータの送信を行う機能が付いていますが、パソコンとの接続はRS232シリアルケーブルとなっています。最近のパソコンにはシリアルコネクタは付いておらず、接続と信号変換のためにUSB-シリアル変換ケーブルを用意する必要があります。ドライバーをインストールすると、コントロールパネル→システム→デバイスマネージャー→からシリアルポートが増設されたことが確認できます。COM番号(ここではCOM2)をメモしておきましょう。(後で任意に変更することも可能です。)製品によってはこの変換による接続が不可能になる場合もあるようですが、MS8218,MAS-345と現在使用中のDELLのPCの間では問題なく動きました。この変換ケーブルは通常の電気店でも販売されております。
まず、MS8218に付属のソフトを使ってみましょう。今回の目標は自由度の高い運用ですが、 通常の1チャンネルのデータ取得だけなら付属ソフトを用いるのが便利ですね。5秒間隔の測定で45.5h連続測定ができるとされていますので最大で32768回(2^14 counts)のメモリーが用意されています。これだけ測定できれば普通の用途で困ることはありませんね。さらに長時間の測定を行ったり、メール送信機能を使ったりする場合には、今回開発したのエクセルロガーの出番となります。なお、MS8218は出荷状態でオートパワーオフ機能がついております。これを解除するにはWAKEボタンを押しながら電源を入れる操作が必要となります。電源がonとなった後にHOLDボタンを長押しするとRS232Cの接続状態となり、赤外線信号が連続してアウトプットされます。
なるべく簡便に動作可能なソフトを作るために今回もエクセルVBAを使用いたしました。 シリアルポートとのデータのやり取りにはEasyCommを使用いたしました。EasyCommはVBAからシリアルポートを制御するためのモジュールです。特別なインストール操作が不要な点で使い勝手が良く、単体での販売が禁止されている以外は自由に使用できる点が大変ありがたいです。上に示したエクセルファイルをダウンロードしてマクロを有効にすれば使用可能となります。マクロのセキュリティーを変更して使用可能にする方法はこちらをご参照ください。
本ソフトの使用法を説明いたします。エクセルファイルのダウンロードは本文下端からお願いいたします。開くと以下のようなウィンドウになります。まず、上で調べたCOM番号をRS232 COM POrt Noの欄に記入します。ここでは2となっています。次に、測定間隔と測定終了回数を記入します。グラフは自動で更新されます。操作は簡単でStartボタンを押せば測定が始まり、エラーがなければそのまま終わりまで測定が終了します。電圧、電流などの測定レンジは本体で手動で切り替えてください。読み取りは自動で行われます。あまり長時間の測定は行っておらず、また、特殊なレンジでの動作を確認しておりませんので使用前にご自身でご確認ください。プログラムにミスがありましたらご指摘いただければ幸いです。これを元に、2チャンネル、多チャンネルでの測定などに発展させれば便利にご使用いただけるのではないでしょうか。
無人の連続測定で測定値がある一定の値に達した時にメールを送信する機能があれば、異常の検知や通報に使用可能になります。安全や生命の維持等に関する重要な装置を除けば、自作の装置でも対応可能な機能はたくさんあります。
著作権の関係でここでの配布用のソフトにはCDO.Messageを使ったプログラムを作成しました。
この場合にはWindowsでメールの設定を行う必要があります。
スタート→コントロールパネル→メール→電子メールアカウント→作成
でプロバイダ契約の時に送付されてくる情報(SMTPサーバ、メールパスワードなど)でメールアカウントを設定します。すでにアカウントが作成されている方はこの操作は不要です。他方、Gmailにも対応するようにソフトを改造しました。この場合、windowsでの設定は不要で設定が楽になります。常時使用するには、セキュリティーの問題も考え、マルチメーター送信専用のGmailアカウントを取得することを推奨します。
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