今回は2個のカウンタICを用いて(マイコンを使わずに)ビット単位でLEDが点滅する 工作にチャレンジしました。ロジックICと組み合わせることで任意時間のタイマーとして 使ったり、周波数カウンタに応用することが可能かと思われます。 2進数で表示が進んでいく様子はみていて楽しいですね。
水晶発振子などの基準クロックから1秒を作るためには分周回路が必要となります。 今回は時計などを作製するときの 32768 Hzの水晶発振子を 使用して、この基準周波数を2^15分割することにいたしました。 もっと長時間のタイマーなどを製作する場合には555タイマーICを 基準クロックとすると良いかもしれませんね。
水晶発振のための反転回路とバイナリーカウンターがセットになった 74HC4060APを使いました。4060では 14段までの分周ですのでまで4 Hz程度の周波数となります。また、14段と言っても、端子の数の制限から、 4-14段の範囲しか出力がありません。そこで、もうひとつカウンターIC(74HC4040AP)を用いて2^13-1秒=2時間程度のタイマーとして使用することにいたしました。4040は 1段から12段まで全ての分周を出力可能です。
表示用にはLEDが並んだバーLEDを用いました。通常の砲弾型のLEDを並べても良いですね。
Resetを動作させない時には1 kΩの抵抗を介してGNDに落としておくと 誤作動が少ないかと思います。それをVssに接続すればデータがResetされます。
データシートを参考にして、以下のような回路といたしました。 4060で32768/2^14=0.5 Hzを作ります。 右隣の4040は0.5 Hzを基準にして1秒周期から2^12=4096秒周期まで点灯します。 LEDバーが10桁ですので、Q11, Q12まで点灯させるにはLEDを2個追加する必要があります。
32.768 kHzの発振には10 MΩ以上のRf(水晶発振子と並列の抵抗)が必要なようですが、 手元に大きな抵抗がなく1 MΩで代用しました。 そのために基準周波数の3倍で発振しております。 正常な発振を促すために 戻り電流を制限する抵抗を追加する方法があるようです。 今回は短時間でのチェックにはちょうど良いと思いそのままにしたしました。 2進法でのLEDライトの点灯の進みは全く問題ありません。(ICが決めていますので ミスは起こりませんね。)
Rf=20 MΩとすることで32.768 kHzの発振ができました。 左から2番目のLEDが1秒周期で点滅していることがわかります。 電源を一度切っても記録は保持されます。
ここで公開するアイデア/装置は安全性を保障しておりません。 用途に応じた設計を行い、十分な安全検査を行ってからご利用ください。 本サイトの情報の営利目的での利用はご遠慮ください。 本サイトの内容の無断転載を禁じます。© 2011 TYK