家庭用ソーラーパネルの発電実績と出力低下

目安1:パネルメーカーのシミュレーションの約7割の発電出力。

目安2:年に2.5%ずつ劣化する。

2016年から6年の発電量の実績値

東京都での戸建ての住宅の屋根へのソーラーパネルの設置が義務付けられました。ソーラーパネルに関しては設置前に、業者から発電量のシミュレーションが示されるかと思います。しかし、そうしたシミュレーションはあくまでも「推定」の値であり、設置業者は出力や売電料の保証はしてくれません。耐久性などを心配される方も多いかと思います。新たに設置する方のための参考に、実績値を報告いたします。設置場所は、埼玉県南部です。南向きの屋根に設置し6年間運用した実績をまとめました

アマゾンでも届く、大型のソーラーパネル(単結晶シリコン型,110W)

設置業者のシミュレーションとの比較(年間発電量)

  5,550 kWh/年 (シミュレーション,Panasonic社)
  4,064 kWh/年 (最初の1年の実績)

パネルメーカー(Panasonic製)による発電量の推定に対して、おおよそ73%しか発電していません。 業者によるシミュレーションは、屋根の勾配と方角も加味された正確な試算となります。メーカーごとの競争がありますので、理想的な条件で精一杯に割り増しした値が表示されていると見た方が良いかと思います。

車の燃費のようなものと捉え、実際の運用においてカタログ値は出せない、と思った方が良さそうです。「メーカーが示すシミュレーションの7割」として試算しておくと安全サイドの予想になるかと思います。

このパネルは245W×19枚で、設置費合計が170万円でした。電気料金が値上がりした状態で12年程度で元が取れる、という状況です。個人で環境貢献が出来る点、停電時の安心感はメリットですが、コスト面でのメリットはほとんどなく、取り外し時の費用を考えるとマイナスだと思います。。

ベランダにも設置できる大型のソーラーパネル(単結晶シリコン型,200W)

パネルの出力低下(経年劣化)

1年につき約2.5%ずつ出力低下していきました。


経年劣化(1,6,9月のデータのみ表示)

ソーラーパネルの耐久性は高く、約20年といった寿命で設計されていると言います。ノーメンテナンスでここまで動くのは稼働部品がない強みですね。しかしながら発電セルやコンバーターにも劣化(効率低下)はあり、温度の上昇、日光照射により徐々に劣化していきます。月ごとに比べた場合には、夏場は日照時間は長いですが、温度が高く発電効率が下がります。屋根の傾斜などにもよりますが、私の設置条件では、1年の中で毎年2,3,4月の発電量が大きいです。

月ごとに5年間のデータをとって、変化を求めたところ、1年ごとに2.5%ずつ出力が低下している結果となりました。10年たてば、おおよそ3/4となりますので、設置業者が示すシミュレーションの半分になる、見ておけば良いかと思います。

戸田システムウェア 製作事例