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受付当日の18時時点で533人/1000人が埋まったとの情報が公表されました。 update on Dec. 15 2011.

最新情報:12月10日に東京マラソン財団より正式な チャリティーランナー枠 についての発表がありました。内容は10万円以上の寄付を対象に、先着順で 受け付けるというものでした。下記の予想金額を基に考えれば、 1000人は即座に締め切られる可能性が高いと考えられます。 チャレンジされる方は是非ともお早めに。update on Dec. 10 2011.

東京マラソン2011 追加枠(チャリティーオークション枠)の最低額を予想する

10月中旬に東京マラソン2011の抽選結果が発表されました。 さすがは東京マラソン、フルマラソン3万2千人の枠に対して 29万4469人もの申し込みがあったそうです。抽選倍率は9倍以上となりました。 私も落選しました。周囲の知人も含めて当たった人はいませんでした。 ここで昨年から石原都知事がコメントしていた チャリティーランナー枠 の募集が始まるという情報が入ってきました。欧米のマラソン大会では一般的な 方法のようです。 今回はこのチャリティー枠が@一定額の寄付を募る場合と、Aオークション形式で行われた 場合の2通りを考え、最低金額を、いくつかの経済指標をもとに推定してみます。
Last Updated on 24 Oct.


抽選方式について(2010年10月24日現在)

欧米諸国ほど寄付になじみの無いわが国では賛否両論の方法かと思いますが、 1000人分をチャリティー枠として募集することは間違いがないようです。 この1000人の枠、という以外に情報は全くありません。 東京マラソン財団の公式ページでも公表されていませんので、 まだ議論をしている最中なのかもしれません。 ありえる方式は2つではないかと予想しています。

@ 一定額のチャリティーを求め、その中から抽選して当選を決める。
A オークション形式で高い寄付を申し込んだ人から順番に当選。

基本的にチャリティーとされていますので、 両案について最低金額を考えてみます。


@一定額の寄付を募る場合

@では例えば参加費用+チャリティーを現在の5倍の5万円として 再度申し込みを募り、この中から1000人分の抽選を行います。 これは、金額だけでなく運の要素も入ってきますので、 純粋なマラソン愛好家には好ましい仕組みかもしれませんね。 「一律○円の寄付」というのは日本人としても馴染みやすいですね。 この方式では、チャリティーでは東京マラソン財団への収入の増加は無いというが 重要な要素となります。

前回よりも申込者は確実に減りますので、競争率が下がるような気がしますが、 募集枠も1/30ですので、必ずしもうまくいくとは限りません。 それと、「マラソン難民」という言葉があるように、ジョギング・マラソン愛好家の 数に対して国内のマラソン大会の定員は不足しています。都内から 地方のマラソン大会やホノルルマラソンに遠征する市民ランナーが 多数いることを考えれば、往復の交通費が安い東京マラソンへ、 遠征にかかる費用を投資するのは惜しくないと思う方が多いでしょう。 東京圏以外の人も、東京への旅行も含めて、 何十万人もの人が沿道で応援する国内最大の大会に参加してみたいという方が 多くいるのではないでしょうか。

この「遠征してマラソンに参加する人」の数を概算してみます。 私の手元にあるデータで 「2010そうじゃ吉備路マラソン」で、参加者の出身地を数え上げました。 この大会は岡山県の県南部に位置します総社市で開催される大会で、典型的な地方大会であると 言えます。このような大会でさえ、フルマラソン完走者1534人のうち、 県外からの参加者は約40%の602名にも達します。そのうち、 日帰りが可能と考えられる広島、香川、兵庫県を除いた269名(18%)が、 一泊以上して参加した人数と推定されます。 この吉備路マラソンには抽選はありませんでしたので、 この18%という数字が、マラソン愛好者の中で、一泊以上の 遠征をして大会に参加する人の割合であると予想されます。

東京マラソン2011の一次抽選で外れた人は約26万人です。 東京マラソンの場合には一般への知名度が高いですから、 マラソンを始めたばかりの人、これから始める人も 多く申し込んでいると予想されます。ですから18%という数字は 低くなる可能性が大いにあります。この数字を推測するのは難しいですが ここでは約半分の10%であると仮定します。すなわち、26万人のうち 2万6千人は、一泊以上の遠征費を払ってマラソンに参加している人だと予想されます。 東京へは日本全国から一泊二日で遠征可能ですので、日本全国に2万6千人ほどの 遠征ランナーがいる考えられます。(やや見積もりが多いでしょうか。) 首都圏の人口は約3千万人で、日本の約1/4ですから、 2.6万人のうち、約1万人は「首都圏に在住して、地方大会にも遠征しており、 東京マラソン2011に申し込んだ」人数となります。

遠征費としては、例えば、東京-札幌間の往復交通費と宿泊費はおよそ5万円程度 でしょうから、5万円なら払う、という人は簡単に1万人を超えると予想されます。 当選者はたったの1000人です。 こうした場合には、再度「ほとんど当たらない」といった不満が出るでしょうから、 参加費用は、こうした遠征費よりもずっと高くて、 マラソンよりもチャリティーとしての側面を重要視するランナー?を ターゲットとした額になるのではないでしょうか。 これは見積もりは難しいですが、普通の人はすぐにあきらめるような額、例えば20-30万円といった 額に設定されるような気がします。しかし、この方法にも大きな問題があります。 この額が高すぎる場合には、1000人の枠が埋まらない可能性があるということです。 この場合に、さらなる再申し込みや再抽選を行うのは、時間的にも コスト的にも困難になります。もちろん、3万人のランナーのうちの1000人で 誤差の範囲内ですから、集まった分だけランナーに加えて、その申込額を チャリティーに回す、という方式になると予想されます。


A完全オークション形式の場合

では、完全にオークション形式として、高い額を払った順に 出走する権利を得られる方式が採用された場合を考えてみましょう。 まずは基礎データとして 2009年の政府の統計資料から、世帯における余剰収入(収入-消費支出)を抜粋します。 全世帯を、世帯収入を基準に十分割した、十分位階級別のデータを用いています。 「10分位」というのは分かりにくいですが、例えば年額987万円の収入がある世帯は、 全世帯において、上から10%に位置する、といった意味です。逆に収入が185万円から257万円の 範囲にある人はは全体の10%で、これは10グループに分けた時の下から2番目に位置します。 さて、この中で、今回は支出して残った年額を計算して示しました。 すなわち、年収が最大のグループに属する世帯の平均年収は1342万円ですが、 このグループに属する世帯は年間820万円の余剰収入があることになります。 次のグループでは収入が820万円程度で、このうち423.6万円は何にでも使えるお金となっています。 世帯全体のこうした余剰収入の何カ月分を一つのマラソン大会にかけることができるか、 というのは難しい問題です。ここでは年額の5%を東京マラソンのチャリティー枠に 投入すると仮定してその額の分布を見積もってみます。

ここで世帯の年収の分布を数式で表します。 上の図は先ほど示した世帯の収入と余裕金の関係を示す近似曲線です。 放物線での近似でR^2=0.999となっていますので、かなり良い近似が得られています。 収入をxとしたときに、余裕資金yはy=1.761E-4x^2+4.296E-1x-68.673で表されました。
下の図には、世帯収入の分布を示しました。横軸に世帯収入、縦軸に、上位から数えた場合の 全体における割合を示しています。青い点が実際の統計値、赤い線が近似曲線です。 近似曲線はガウス関数です。年収が高い領域をやや過小評価していますので 最後に見積もられる入札額はやや低めに計算される誤差を含みます。 ですから、年間余裕資金の5%を2-3%などと読みかえるとより正しい結果となります。

では、当選するためにはいくらで入札する必要があるか?

最後に予想当選金額を推定します。26万人の落選者が全て、所得に応じて決まる 余裕資金の2-3%といった額で、東京マラソンのチャリティー枠に入札するとします。 その場合は下の図のような入札額の分布になります。重要なのは1000人/26万人=上位0.386%の 値ですので、ここでは全体の上位1%の入札額のみをグラフにしました。 横軸に全体での上位からの割合(%)、縦軸に入札額です。 グラフの左端が跳ね上がっていますが、これは一部の高所得者が高い金額で入札するためです。 当落ラインは30.6万円と計算されました。やはり、普通の人には無理ですね。 もちろん、高額所得世帯は年齢も高いですので、マラソンへの応募者は相対的に低く、 これよりも入札額が下がる可能性はあります。あくまでもご参考までに。


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