モーターの制御(TA7291P,Toshiba)

自動掃除機のルンバ,irobotを 電気屋さんで目にする機会がありました。ちょこまかと動く様子が ユーモラスで、それほど掃除がきれいにできなくても、 機械として面白いと思いました。このような自動床掃除ロボットを 自作するにあたり、マイコンによるモーター制御に挑戦しました。 モーターの回転速度や方向を制御できれば、いろいろなロボット製作に 応用することが可能です。

Updated on Apr. 25, 2010.
動作状況の動画(YouTube)
回転スピード、向きを制御している様子です。

中央の黒いつまみにより回転速度を決定します。
5,6番ピンのどちらに5 Vを印加するかで回転方向を支持します。
How to control a motor by TA7291P.
Rotational speed and direction are controlled by an analog circuit including TA7291P. The center volume decide the speed.
The direction is chosed by 5 V-input to Input1(PIN NO.5) or Input2(PIN NO.6).

ハードウェア

今回用いた回路図は以下の通りです。 モータードライバーとしてToshibaの TA7291Pを 用いました。まずはアナログの回路を組み、モーターの 速度と回転方向を制御することを目指します。


回路図。The circuit diagram used here.

TA7291Pへの配線は以下の通りです。

回転の方向は5(IN1),6番(IN2)端子に入力する情報により決定できます。

IN1 IN2 動作
0 0 停止
1 0 順回転
0 1 逆回転
1 1 ブレーキ

プレッドボード上に組み立てたモーター制御回路。
4番端子はテストのためツマミつきの可変抵抗を入れることにしました。
写真は抵抗を入れる前です。
Motor control circuit build on a test board.
PIN NO.4 is open in this image. Voltage of No.4 is adjusted by a variable resistor for controlling the rotational speed.

モーターの減速

小型モーターの回転数は簡単に 5000 rpm程度( マブチ RE-140)にも達します。 これは一秒に100回転近いかなりの速度になります。 逆にいえば、物を動かしたりするために必要な トルクは出ません。上述のマブチRE-140では 適正負荷はわずか0.49 mN・m=5 g・cm程度 (軸から1センチの距離にある5 gの物体を持ち上げる負荷)となります。 そこで、何らかの変速機で速度を落として トルクを上げる工夫を行います。 今回は、タミヤ模型の ハイパワーギヤボックスを用いました。 これにより、3 V印加時に784g・cmのトルク( RE-260モーター使用時)を出すことができます。 半径2 cmのタイヤを用いた時に400 g近くの物を垂直に持ち上げる ことができるわけですから、水平移動時にも、そこそこの 重さのものを落ち上げることができます。


田宮模型のハイパワーギヤボックス/High Power Gear Box, TAMIYA

同じくスポーツタイヤ/Sports Tire Set, TAMIYA

組み立て後のギヤボックスとタイヤ
回転軸にピンを垂直に差し込む作業が少し大変でした。
専用の工具が無かったので、固い土台の上に固定して
小さい金槌で叩いて挿入していくとうまくいきました。
Assembled Gear boxes and a tire.
It was a liitle bit troublesome to put a pin to the shaft.
I used a tiny hammer to push the pin into the shaft on a fixed stage.

以上、簡単でしたがTA7291Pを用いたモーターの 回転速度、回転方向の制御方法でした。 次回は、このシステムを2系統用いて、 左右のタイヤに動力を伝える車を作製いたします。



戸田システムウェア

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