都内ではヨーグルトと納豆が品薄です。 発酵食品を継続的に食べることで 胃腸の調子が良くなると言われています。 医学的な根拠は別にして、 朝食はパンとコーンフレーク、ヨーグルトの組み合わせとしておりました。 手に入らなければ、ますます食べたくなる、 というわけで今回はたまたま手に入ったヨーグルトを種にして、 牛乳からヨーグルトを作ってみました。
一般のヨーグルト菌の発酵には45℃程度の温度が最適であるとの 情報をwebから入手しました。 この温度を保つためには、 ヨーグルトメーカーを使うのが簡単です。 (例えば富士パックス販売 ヨーグルトメーカー Y-1000 )。温度センサーとヒーターだけですので安価です。
一方、本研究所には長年愛用してきた真空保温調理器(THERMOS シャトルシェフ)がありますので、今回はそちらを使用することにいたしました。他のサイトでは、
保温用品を自作している方もいらっしゃいますね。マイコンを使った温度制御とヨーグルトメーカーの自作は
今後の研究課題といたします。
注)
リュックサックとジャンパーとホッカイロを使って保温する方法を
開発しましたのでご参照ください。
材料と準備する用具は以下の通りです。
容器とスプーンを煮沸殺菌します。 ヨーグルト菌が増殖する環境では、 他の有害な細菌も増えます。 これらの雑菌の繁殖を抑制するため、 容器を熱湯で殺菌します。 布巾や指も雑菌らだけですので、こうしたもので 調理器具に触れないようにします。
牛乳を沸騰させます。この時も 鍋のふたを開けないようにして菌の混入を防ぎます。 買ってきたばかりの牛乳パックを使えば沸騰殺菌は不要かもしれません。
スキムミルクは温かいうちに混ぜます。 50℃程度まで温度が下がったらヨーグルトを入れ、よく混ぜ合わせます。 混ぜるスプーンなども熱湯殺菌しておきましょう。
温度管理は重要ですので 調理用の温度計をご使用ください。今回は電子工作用のK型熱電対を用いました。 牛乳に直接温度計を入れると、これも雑菌混入の原因になりますので、 断熱材(新聞紙)と鍋の間の温度を測定しています。しばらくすれば 鍋の温度と熱平衡になります。 以上の牛乳+ヨーグルトの混ぜ物を瓶に移します。ヨーグルト菌の発酵には 酸素は不要で二酸化炭素の放出はありませんので瓶は密封して問題ありません。 (乳酸菌ってどんな菌?参照)確認しておりませんが、密封容器を使うことで ヨーグルト中の酸素濃度が下がり、好気性の雑菌の繁殖をさらに抑えられるかもしれませんね。
保温容器のお湯も45度に調整して、 瓶を入れます。
このまま6時間程度保持し、発酵させます。 乳酸菌が増殖するとpH4程度の酸性となり、他の雑菌が増えなくなるようです。 逆に、酸味が強すぎると発酵ではなく、腐敗に近い状態と言えるかもしれません。
一晩シャトルシェフで保温して翌朝に瓶を取り出しました。 どうやら固まっているようです。 余熱を冷ましてから冷蔵庫に入れ、冷やしてから試食することにいたしました。
気になる味は、元のヨーグルトと全く同じでした。 酸味と甘みのバランスが良く、見事に製品と同じものが出来ております! 逆にいえば、ヨーグルトの味は、添加材などの味ではなく、 ヨーグルト菌によって発酵した牛乳の味なのですね、、、。 ジャムをつけて美味しく頂きました。